第1回JIAテスクチャレンジ設計コンペで最優秀賞を頂いた堀部と申します。
当時社会人一年目だった私は、北海道で建築実務をこなす方々が、どのような思考をお持ちなのか大変興味を持っておりました。そのため、北海道の設計事務所に勤めている者を対象とした第1回の当コンペは、私にとって非常に魅力的なもので、早々に応募を決意しました。
「北海道をおいしく食べる場/空間」という課題に対し、自給率200%を超える北海道でこそ可能な食の空間として、地産地消のレストランを計画することとしました。
札幌市郊外の耕作放棄地を敷地とし、畑の再生を図ると共に、ガラス張りの帯状建築を畑の間を縫うように配置することで、建築内部に落ちる作物の影、入る風、匂い、見える風景、食べられる料理等が季節によって変化するレストランを提案しました。
公開審査を経て受賞のご連絡を頂き、その後賞金であるイタリア建築視察へ行って参りました。
イタリアではミラノ、ヴェネチア、フィレンツェ、ローマ等を周り、様々な空間や文化を経験させて頂きました。中でもパンテオンのオルクスから落ちる光は圧巻で、建築というフィルターを通すことで、光が特別な存在に昇華されていることに、大変感動しました。
また、木造建築では経験できない「時間」を経験できたことも、非常に大きな出来事だったと感じています。
このような素晴らしい経験の場を設けて頂きました、JIA北海道支部の皆様、株式会社テスクの皆様に感謝し、今後の設計活動に生かしていきたいと考えております。
堀部 太