昨年で第2回目、応募条件が北海道の設計事務所スタッフということもあって、私にとってはこのコンペは何か新しいものに挑戦できるとても意義あるものに感じられました。
第2回のテーマである「北海道の森と建築~くらし・資源・生命・観光などとも共振する空間~」という課題に対し、エゾシカの食害問題と森林の減少に対する建築的解決を考え、どちらかといえば社会的な提案をしました。
森林減少の実態的な対策として、森のためにとシカを淘汰する行為に対し、我々が建築を通じて生態系に対してコミットしていけることはないのだろうかと考え、人とシカと森の共生の、一つのきっかけづくりを目指しました。
副賞の上海視察旅行は上海万博開催日程に合せていくことができました。
世界中の現代建築の最先端ともいえる技術をもってして造られ、文脈抜きに現れる仮設建築の数々に、混沌とした雰囲気漂う上海の雰囲気も相俟ってか何か一体感を持った凄まじいエネルギーを感じ、圧倒されるばかりでした。
雑然とした会場の中でも一際目立つオランダ館
イギリス館内部。アクリルポール内に種子が封入されている。
上海の街から一時間ほどの場所では、現代的都市とは対極にあるような水郷(水辺の村)があり、そこではやや観光的な発展を遂げつつも、路地から民家の生活が見えるような中国的な情緒のある風景を感じることができました。
上海一の繁華街である南京東路
水郷(朱家角)
凄まじい発展を遂げる上海に世界中の注目が集まる時期に視察に行くことができ、その空気を実感することができたのはとても幸せな経験でした。
最優秀賞の受賞は私にとって大変励みになり、また授賞式、上海視察旅行にて御一緒させて頂いた受賞者の方や、審査員の先生方との交流もとても刺激になり、この経験を糧に今後も設計活動に取り組んでいきたいと思います。
高橋一正(㈱二本柳慶一建築研究所)